第16章 ☆Story14☆ 娘が心配すぎるパパ
「藤ヶ谷、さん……」
「おはようゆりちゃん、今日もよろしくねっ」
「ぇ……」
顔を俯かせたゆりだが、タイスケは思ったよりいつも通りの雰囲気だった。
ゆりは思わず顔を上げた。
「ぁ、もしかして……俺のこと気にかけてくれてた?(笑)
昨日はごめんね。気まずい思いさせちゃって……」
「っい、いえ……!」
「今日はお前も一緒なのか、このぬいぐるみめっ」_ムギュウ
タイスケはユウの頬を軽く引っ張る。
『……(睨)』←
(こんにゃろめ……怒)
だがユウは喋るぬいぐるみだということがバレてはいけないため、何も言えずタイスケに引っ張られる。
そんなユウはもちろん不機嫌。
「(笑笑)
ぬいぐるみだから、何も言えないよなーお前(笑)」
『……(怒)』
(後で覚えてろよ!!)
そう心に誓うユウであった。
「っ藤ヶ谷さん、もうそろそろやめてくださいよ。
さすがにユウがかわいそ‥_ムニュウゥ!
ふにゃっ!?」
今度はゆりがタイスケにほっぺを掴まれる……というか両手でほっぺを挟まれている。
そしてほっぺをムニムニされるゆり。
「やふぇてくははい!(やめてください!)」
「ほっぺ柔けぇ♪」
「……。」
ゆりは軽くタイスケを睨む。
_ムニュゥゥ「タコチューっ♪」
完全に遊ばれているゆり。
「……(怒)」
(心配して損した!)←
こうしてしばらくゆりはタイスケのおもちゃとして遊ばれたのだった。
そしてドラマの撮影も順調に進み、出演者たちはそれぞれ休憩。
ゆりとタイスケの撮影もひと段落し休憩。
「ねぇねぇ、三船とはいつ頃から親しくなってたの?」
「え!えっと……ってか、ここで大きな声で言わないでくださいよっ」
「ごめんごめん(笑)
……で?」
「……三船さんの試合を見に行った日に、私から連絡先を聞いて……
それからなんとなくやり取りをするようになって……昨日は、わざわざバイトの休憩中にLINEをくれたんです。」
「ふーん……」
昨日ほどではないが、やはりタイスケはいまいち不機嫌そうだった。