第16章 ☆Story14☆ 娘が心配すぎるパパ
ゆりside
翌日、ゆりは6時半に目を覚ました。
「んん〜……」
起きるなり背伸びをするゆり。
「さて、今日は午前にドラマ撮影で午後はバラエティ番組の収録、夜は歌番組の生出演……
今日は一日中仕事かぁ……」
ベッドから起き上がると、ユウも目を覚ました。
『おはよぉゆりちゃん……ふぁぁぁ……』
「ユウ、私今日は一日中お仕事なんだけど……夜、結構遅くなるかもしれないんだけど……
どうする?ついてくる?」
『行くー!
ってか、珍しいね……ゆりちゃんから言ってくるなんて……』
「なんとなく、かな(苦笑)」
『変なのー……』
こうしてユウはゆりの気まぐれ?により今日はゆりのお供をすることに。
そしてご飯も食べ終え、ゆりとユウは涼介が待つ1階へ向かう。
「涼介さん、おはようございます。」
「おはようゆりちゃん。あれ?今日はぬいぐるみと一緒なんだね(笑)」
「ま、まぁ……(苦笑)」
「今日はなかなかのスケジュールだから、頑張ろうね。」
「はい!」
(藤ヶ谷さん、まだあの調子のままなのかな……)
ゆりは涼介の車に乗り、撮影スタジオに向かった。
ちなみに今日は紫鶴大学ではなく、テレビ局内にあるスタジオで撮影。
_スターズTV・第3スタジオ
「おはようございます!」
「「おはようございますっ」」
現場入りするなり元気に挨拶をするゆり。スタッフたちもほぼ同時に挨拶。
ちなみにタイスケはまだ来ていないようだ。
「……。」
(藤ヶ谷さん、いつもなら私より早く現場に来てるのにな……)
ゆりが辺りを見渡していると、
「おはようございます。」
「「おはようございますっ」」
どうやら出演者がスタジオに入って来たようだ。
「っ……!」
ゆりは思わず後ろを振り向く。
後ろを向いた先にはマネージャーと一緒に現場入りをしたタイスケの姿があった。
「っ……藤ヶ谷、さん……」
(やっぱり、気まずいな……)
ゆりは思わず顔を俯かせた。