第15章 ☆Story13☆ コンサート当選
じゃあさ、ゆりちゃんは……誰にこの曲を送りたい?』
「ぇ……」
ユウの言葉に息を飲むゆり。
『……。』
「っ誰に、って……」
『もしかしたら、その答えが出てるなら早いんじゃない?』
「っ……私が、想いを伝えたい人……っ!」
『……やっぱり、ゆりちゃんの好きな人は三船くんなんだね……』
「っ……うん、そうだね……私が好きなのは、あの人……
いつか、想いを伝えたい……でも、それはもう少し先だけどね。
私にも三船さんにも、今はやらなきゃいけないことが沢山あるもの……」
『……そっか……_ピロリーン…あれ?
ゆりちゃんのスマホにLINEきたよ!しかも……』
ユウはスマホをゆりに渡す。
「えぇ?誰だろ……」
『み・ふ・ねくん……から♪』
「っえ!?」
ゆりは慌ててスマホをユウから受け取る。
「……また、班田さんのことなのかな……」
そして早速画面を開くゆり。
内容は班田に対するものではなく……
『夜に悪い。』
『バイト中なんだけど、
今休憩もらってる。』
『今暇か?』
友達と話すような内容だった。
「っ……」
『お!三船くんからきたね♪
いい傾向じゃない?』
ちょっとゆりをからかうユウ。
「っユウ、からかわないでよ……!」
そしてゆりも早速文字を打つ。
『はい!』
『三船さんからラインきて
すごく嬉しいです!(o^^o)』
『今バイト中なんですね。
私も、ある曲のアレンジ中なんです』
『そっか』
『順調か?』
『……微妙です汗』
『でも、いい曲に仕上がりそうです!』
『完成、楽しみにしてる』
『頑張れよ』
『はい!』
『そういえば、
今大事な休憩中なのにどうしたんですか?』
「せっかくの休憩時間なのにわざわざ……」
(でも、嬉しいなぁ……)
『いや、実はさ』
『お前らのコンサートチケット当たってよ』
『それで吾郎も当たって8月のやつに
行くことになったからその報告』
「う、嘘!?」
『ゆりちゃんよかったねぇ♪』
「っ……」