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藤ヶ谷パパの娘は人気アイドル!

第14章 ☆Story12☆ 気になること


「……っ!」



思わず目を見開くゆり。



「ゆりちゃん?急にどうしたの?」



「っ……」
(三船、さん……?)



ゆりが目を向ける先、その先には偶然にも憲吾が歩いている様子がとらえられた。



そして横には吾郎の姿もあった。



「……ゆりちゃ「っ三船さん……」ゆりちゃん?
知り合いでも、いたの……?」



「っ……!
えっと、まぁ……」



ゆりは我に返り視線を前に戻した。



涼介はゆりが見ていた方をちらっと見た。



「……ぁ」
(もしかして、あの2人組の高校生のことかな……)



どうやら涼介は察しがついたようだ。



「……実は、班田さんに絡まれていたところを助けてくれたのが、
三船さんだったんです……」



「そう、か……それで……」



涼介も視線を前に戻し、納得したかのように頷いた。



「はい……あの人には、すごく感謝していて……」



「……それだけ?」



「ぇ……」



涼介の言葉に耳を疑うゆり。



「ただ助けてくれた人、だけには思えないような気がしてね……」



「っ……」



「……隠さなくても、いいよ?
もしかして、彼のことが気になっている感じかな?」



「っ……」



ゆりはすっかり涼介の言葉に固まってしまった。



「ふふふ…ゆりちゃんも、恋をしたいお年頃だもんね。」



小さく笑う涼介。



「っ……」
(なんでわかるの……!?)



「……目が、違うもん。
他の人に向ける目とは全然、違ったから……もしかしたらなって。」



「っ……やっぱり、そういうのってわかってしまうんですか……?」



「だって、君のことは赤ちゃんの頃から知っているんだよ?
なんとなくわかるよ。」



「……。」



「まぁ、ゆりちゃんはちゃんと仕事に励んでるし……スキャンダルにされない限りは
恋するのはいいんだけど……」



「っわかってます……私だって、事務所の顔だっていう自覚はちゃんとあります。
事務所や、先輩方が築いてきた経歴を、汚すことはしません……。」



「……。」



涼介はちょっと悲しそうな顔を見せるゆりを、じっと見ていた。



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