第14章 ☆Story12☆ 気になること
こうして夕飯を食べながらのDVD鑑賞は終了。
片付けも済ませ、憲吾はふとTSUTAYAの貸し出しバッグに入っていた抽選券を手に取った。
「……。」
「あ、これってこないだのDolceコンサートの抽選券だろ!
そういえば、これってどこで抽選会やるんだ?」
憲吾は吾郎に抽選券を渡す。
「えぇっとどれどれ……」
吾郎は受け取った抽選券の裏側を見た。
「……なるほど、クロム系列の店とグッズ専門店どちらかで受付中……くじで決まるみたいだぜ!」
「ほぼほぼ商店街のくじ引きだな……」←
「まぁいいじゃねぇか(笑)
どうすんだ?運試しで今度行ってみるか?」
「……ま、どうせこういうのは外れることが多いし……
どうせ近々クロムで買い出しあったからその時行くわ……」
「マジか!
んじゃ、俺も一緒に♪」
「……あぁそうか、確か2枚分……」
「そっそ♪」
_その翌日、ゆりside
翌日もゆりは涼介に学校まで送ってもらうことになっている。
「じゃあユウ、行ってくるね。」
『うん!いってらっしゃい!』
「今日のお昼ご飯は冷蔵庫に入ってるから。」
『はーい!』
下まで降りると涼介がすでにきていた。
「涼介さん、おはようございます。」
「おはようゆりちゃん。じゃあ行こうか。」
「はいっ」
ゆりは車に乗り込み、学校に向かう。
そして運転中、涼介が話しかけてきた。
「あのね?実は班田っていう人の学校がわかったんだ。」
「そう、なんですか?」
「うん。調べた結果、城国商業高校の3年生みたいだね。」
「城、国……」
「それでね?しばらくの間私服警官を近くに配備することになったんだ。」
「なる、ほど……監視するってことですか?」
「そういうことになるね。」
「……。」
(なら、しばらくは安心なのかな……)
ちょっと息を撫で下ろすゆり。そしてゆりはふと外へ目を向けた。
「……っ!」
ゆりは偶然向けた目線にある人物をとらえた……。