第14章 ☆Story12☆ 気になること
そして結局夕飯をご馳走になることになった吾郎。
吾郎は憲吾が座るなりリモコンの再生ボタンを押した。
「これは東京ドームのコンサート!
まだメンバー登場してねぇのにすげぇ歓声だろ?」
「あぁ、そうだな……」
(意外と女のファンも多いんだな……)
ドーム中に響き渡る歓声は男性だけでなく女性の甲高い声も多く聞こえてくる。
「主に女性ファンを獲得するのは千鶴ちゃんと凪咲ちゃんがメインなんだよな。
んで逆に男性ファンを獲得するのがゆりちゃんと愛美ちゃん。
来海ちゃんと来夢ちゃんはファミリー層向けが有利って感じ!」
「グループのバランス、結構いい方なんだな……」
「だな!」
DVDはファンの歓声に包まれる中会場の灯りが一気に消え、大きいスクリーンにメンバー全員が映し出される。
「お!キタキタ!」
「……。」
スクリーンに映っているゆり達は手を振っていた。
そしてリーダーでもある来海がまず初めに喋り出す。
『ヤッホーみんな!今日はありがとう!
今すぐみんな所に行くから待っててね〜♪』
そしてあっという間にスクリーンに映るメンバーは消え、
_バンッ!!
『『『きゃあぁぁぁぁ!!/うおぉぉぉぉ!!』』』
花火が打ち上がり、ステージのど真ん中にはローラースケートを履いた来海の姿。
両手を挙げファンに向かって手を振っていた。
『ちっちゃいけど小学生じゃない!北くるただいま参上!!
さぁ!他のメンバーもカモーン!!」_パチン!
来海が右手でパチンと指を鳴らすと、今度は来海がいる反対のステージライトが照らされ、
凪咲と来夢が颯爽とローラースケートで登場。
『Dolce生粋の頭脳派アイドル・小鳥遊凪咲!!今日もクールによろしく!』
『ふっ……』
凪咲はクールに微笑む。
『こらぁぁぁ!来夢も忘れるなぁぁぁ!!』
来海に向かって大声で叫ぶ来夢。
『順番に紹介するから待って!!もお!……はーい続いて
頭脳派アイドル、ナギナギの妹小鳥遊来夢!今日もその、なまいっきな調子でよろしくー!』
『生意気じゃないもーん!!』
会場は一気に笑いに包まれる。
「このコンビ俺好きだわー(笑)
次は誰かな……」