第12章 ☆Story10☆ 縮まっていく距離
「玉森、百合……」
この玉森百合という人物が、有力候補らしい……。こんなに名前が出ているってことは、
彼女の母親も芸能人、だったのか……?
憲吾は1番上にあったページを開いた。
「……藤ヶ谷ゆりの母親は、玉森百合。2014年、新星のモデルとして誕生し、
14年から15年にかけて人気を博したがわずか1年弱で電撃引退……引退理由は……っ……」
白血病……
白血病といえば血液のがん、不治の病とも言われていた病気だが、ここ近年ではさらに日本の医療技術は上がっており、
白血病に効く薬もだいぶ開発されているため、よほど重症でない限りは治せる病気となっている。
けど当時は、特別効く薬があるわけでなかった……。
「病気で、引退を……」
さらにスクロールすると……
「……さらに、恋人がいることが当時の特番で明かされた。
その恋人が、藤ヶ谷ゆりの父親と言われている人物……
中にはキスマイ藤ヶ谷の親族なのではないかという噂も絶えない……」
確かに、あの二人は異様に似た顔立ちをしている……苗字も、同じだ……。
「……玉森百合、あいつと、同じ名前……」
憲吾は前の検索ページに戻り……
『玉森百合』と検索をした。
するとすぐヒットし……
「っ……似てる?」
玉森百合という人物は、ほぼ彼女と瓜二つといっても過言ではない……いや、
むしろ本人なのではないかと思うほどだ。血の繋がった親子どいえど、
ここまで似ている親子なんてそうそういない……。
「……こんなに、似るものなのか……」
なんとも奇妙な感覚に襲われた。
彼女のようで、彼女ではない……まるで、どっちかがニセモノなのかのように……
そして検索候補には『玉森百合 恋人 誰』『玉森百合 藤ヶ谷ゆり 親子』などなど
検索候補はかなりあった。
おおむねゆりの母親は玉森百合ということがわかり、
憲吾は『玉森百合 恋人 誰』をクリックした。