第12章 ☆Story10☆ 縮まっていく距離
検索結果は……
「『玉森百合の恋人は大学教師』……大学の、教師?」
他にも藤城柊などが出てきたが、当時の番組でも明かされたということで彼女の父親であるあの人は
教師であることが検討ついた。
「恐らく……今でも……」
確かに、メガネまでをかけていたので教師と言われれば教師に見えた。
「当時高校生であった玉森百合とその恋人である男性教師との関係は
当時ネットやテレビでも話題になった……」
(そりゃ、そうだろうな……もし神部先生が、生徒と近い年齢のやつと付き合ってたら……いや、
それは絶対ねぇな……正直そんなことがあったら気持ち悪い。)←
にしても、教師と生徒が付き合っていただなんて……彼女の両親は、
当時は苦労したんだろうなということが想像ついた。
「あいつにも、色々あるんだな……」
スマホを握りしめる憲吾。
「……っそういえば、あの時の班田……」
憲吾は、ふとあの日……ゆりを班田たちから助け出した日のことを思い出した。
『今回は見逃してやる……藤ヶ谷ゆり……』
「っそういえばアイツ……今回は見逃すって……今回はってことは、っまさか……」
あいつは、一度言ったことは必ず実行する……でも、彼女は人気アイドルだ。
そう簡単に会うことなんて……っいや、
「……彼女の学校がわかれば、待ち伏せもできる……最初にあった日も、変装をしていただけで警備とかされていない……
飯田に、襲われてもおかしくない……っ……」
もし、もし彼女に何かあったら……もし、彼女が傷つくことが起こってしまったら……
最悪な出来事が頭をよぎる……
憲吾は思わずLINEを開き……
「っ……こんな夜中に送るのも、迷惑……だよな……」
時刻は11時半を回っている……けど……
「……。」
(明日の朝にでも、気づいてくれればいいけど……)
文字を打ち始める憲吾……
打った言葉は……
『班田たちには気をつけろ。
不良と見られる奴にも近づくな』
『できるだけ一人で行動はするな』
と送った。
「っ……これから、何も起こらなければいいが……」