第12章 ☆Story10☆ 縮まっていく距離
「CD鑑賞は一通り終わったなー……どっち先見る?
コンサートとロシア!」
「別に、どっちでもいいけど……
お前が勝手に選んだんだろうが……」
「んじゃぁ……コンサートはラスト!極東ロシア見ようぜ!」
「はいはい……」
DVDプレイヤーにDVDを入れる吾郎。
「これ、日本和食店があるお店で働く旅番組みたいだぜ。」
「あっそ……別に興味はねぇけど……」
「お前はほんと相変わらずだよなぁ(苦笑)
まぁ番組見ながらファンクラブの手続きしようぜ!俺のパソコン貸してやっから(笑)」
「だからなんで入らねーといけねぇんだよ……」
「ゆりちゃんのため、ゆりちゃんのため♪」
「……。」
「さっきも言ったけど、お前がファンクラブに入ったって言えばゆりちゃん絶対喜ぶって!
あと、さっきのネバギブのことも言ってやれよ!あの曲めっちゃ良くて元気もらえるって!
ゆりちゃん雑誌でよく言ってるけど、ファンからの励ましの言葉が何より嬉しいだってよ。
ファンレターももらって、できる限り全部に目を通してるって話もしててよ。
ほんとファンとかのことを考えてくれてんだよ!そんな彼女が、お前からの声援受けたらめっちゃ喜ぶって♪」
「……。」
「入って損はねーよ♪会員限定のイベントとかもあったりするし、何よりゆりちゃんとの
話題もできるだろ?お前はただでさえそういうこと苦手だもんな(笑)」
「……嫌でも俺に入れさせたいみたいだな……」
「まぁ観念して入れ(笑)
俺が教えてやっからよ!」
「……あぁ、わかったよ……ちょっとめんどくさいけど……」
「めんどくさい言うなよ(苦笑)
んじゃまずは、ページに飛んで……」
吾郎はパソコンを開く。
そして憲吾はタイスケが出ているDVDの映像に目を向けた。
数分後…
「はい!んじゃお前の個人情報入力して!」
「それくらい、言われなくてもわかる……」
「ちなみに、会員カードとかは翌日以降に発送。
でもスマホとかパソコンでは自分のページに行けるようになってんだ。」
「ふーん……」
「お前も、どっぷり沼にハマれよ(笑)
俺みたいに♪」
「お前みたいになってたまるか。」←