第12章 ☆Story10☆ 縮まっていく距離
「なんか会話邪魔して悪りぃな(汗)」
「いや、特に大丈夫だけど……」
「まぁさ!今度新しいドラマに出るらしいからよ!
ドラマ見て、感想とかさりげなく送ってみるといいんじゃね?
そうすれば自然と話題が出るからよ!」
「……あぁ、」
「なんか随分素直……」
「……気が向いたらの話だ。」
「急に戻ったし!
あ、どうせだったらファンクラブ入れば?(笑)
ファンクラブ入れば、いち早く情報ゲットできるぜ!」
「別に、いい……てか、お前まさか……」
「おう!入ってるぜ!年会費5000円で!」
吾郎は財布の中からメンバーズのカードを出し憲吾に見せる。
ちなみにカードはドルチェのメンバーの集合写真となっている。
「この他にもカードはメンバー分あるんだよ!つまり、
ゆりちゃんだけが写ったカードも発行できちゃうわけ♪」
「なんで俺にすすめんだよ……」
「だってコンサートとかだってファンクラブ入らねーとそうそうチケット取れねーぞ?
現に、ファンクラブ入っても落選する人は沢山いるんだからよ!」
「だからなんで俺にすすめんだよ……」
「5000円なんてバイトしてれば余裕で普通に稼げんだろ(笑)
それに、ゆりちゃんとまた距離を縮めたいっていうなら……まずは一人のファンとして、
アイドルとしての彼女を見たほうがいい……俺はそう思う!」
「……。」
「それに、ドルチェの曲は元気ももらえる曲も多いだぜ?他にもソロ曲とかも出してるしよ!
あ、これ食い終わったらTUTAYA行こうぜ!」
「お前……俺を嫌でも入れさせるつもりか……(汗)」
「おうよ!」←
「……。」
憲吾はすっかり引いてしまっていた。
「お前……絶対ドルヲタに偏見持ってるだろ……」←
「……。」
(変な奴が多そう……)←
「ちゃーんと真面目なファンは沢山いるの!逆にほとんどがそうだぜ?(苦笑)
お前はイメージしてんのは、一部の熱狂的なファンだよ!」
「……。」
「ま、これ食ったら行くぜー?」
「……あぁ、わかったよ……」
(ここまで言われると断る気も失せてくるわ……)
そして食べ終わった後、憲吾は渋々吾郎と共にツタヤに向かうのであった。