第12章 ☆Story10☆ 縮まっていく距離
_TSUTAYA
「あったあった!ドルチェのコーナー♪」
「……。」
「こうして見ると、さっきまで話してた子は芸能人なんだなーって思うっしょ?(笑)」
「……そうだな。」
「そう考えるとお前まじ強運の持ち主だよ……ある意味、これで運使い果たしてるのかもな(笑)」←
「余計なお世話だ……」
「俺的にぜーんぶおすすめなんだよなぁ……」
「……。」
「あ、そいいやお前ってTカード作ってるっけ?」
「いや、作ってねぇけど……てか、そのニヤけ顔なんだよ……」
「お前、Tカード作る気……あっか?」
「ぇ……あ、あぁ……まぁ、どのみち借りる羽目になんだから……作るしかねーんだろ(苦笑)
わざわざお前に借りさせんのも、気が引けるし……」
(どのみち借りることになんだよな……俺がどうこう言おうと……汗)
「お前、つくづくついてんなー(笑)」
「だから何だよ……」
「ふっふっふ……」
「気持ち悪りぃな……」←
「本シーズン期間限定!ドルチェとコラボTカード!」
吾郎は近くにあったチラシを取り憲吾に見せる。
「……はぁ?」
「よくTカードってよ、いろんなのとコラボしてんだよ。
それで今回は何とドルチェのデザインが出てんだよ♪
しかも種類は7種類!もちろん、お前はゆりちゃんのデザインだろ?♪」
「っ何でそうなるんだよ……!
普通のデザインでいいっつーの……」
「これ今期限定だぜ!?
しかも!ゆりぴーはグループ1の人気者……早いうちに買っておかねぇと、
売り切れるぞ!?」
「っ……わざわざいいっつーの……」
「っほら!カウンターも見てみろよ!
『ゆりぴーのカードは残りわずか!』って書いてあんだろ?
ここは思いっきりゆりちゃんのデザインのやつにしろよ(笑)
俺も一緒に書いてやるから!」
「……。」
「んじゃ!借りるのはこのデビューシングルから去年までのシングルが入ったアルバムに!
最近出た最新曲!んでんで、お前の本命であろうゆりぴーセレクトアルバム!
この中にはゆりちゃんのソロ曲も入ってるんだぜ♪」
「……(汗)」
(断るに断れん……)
結局吾郎の押しに負けてしまう憲吾であった……。