第12章 ☆Story10☆ 縮まっていく距離
憲吾side
試合が無事終わった後、吾郎に誘われ俺らはソッテリアに来ていた。
店に入って間も無く、彼女からLINEの通知が来た。
_ピコーン
「……。」
『こんばんは。試合の方はどうでしたか?
怪我の方も大丈夫ですか?』
「お!早速ゆりぴーからじゃん!
ほらほら!返信しろよ!」
「っうるせぇな……急かすなよ……」
吾郎に急かされ俺は文字を打つ。
『準優勝。まぁまぁってところだ。』
『怪我も支障はない。心配しなくていい。』
ちなみに結果は準優勝、決勝までは進めたが……負けてしまった。
正直、彼女にこの報告をするのは恥ずかしい……
『準優勝おめでとうございます!(o^^o)
でもあと一歩のところで優勝でしたね』
励まされる……少し情けない……。
『そうだな、もっと攻めていたら
できていたかもな。』
『三船さんの実力は本物です!
これからも頑張ってくださいp(^_^)q』
「っ……」
「お!これからも頑張ってくださいだってよ♪
こりゃあ頑張るしかないぜー?」
「っうるせぇよ……」
吾郎からそらすように憲吾は『ありがとう』と返信を打った。
「……。」
(てか……このままだと話題切れるな……でも、今の時期は忙しそうだし、これくらいで終わらした方が、
いいのかもしれない……けど……)
憲吾はスマホの画面を見つめた……
「……。」
(もう、少し……
もう少し、彼女と話したい……)
「っおいおい!このままだと話題切れちまうぞ!?
何か言えよ!」
「ぇ……ぁ、あぁ……」
話したいが、特に話題は思い浮かばず……
『今は何してるんだ?』
これくらいしか、思い浮かばなかった……
そして間も無く返信が来た。
『打ち合わせが終わって、
ドルチェのメンバーとその家族で
食事会をしてるんです!』
「へぇ……ゆりちゃんたちも食事中なんだ!
俺らもこれからだし!」
『随分賑やかそうだな。』
『ですね(笑)
三船さんは何しているんですか?』
『俺も吾郎と似たような感じ。
ソッテリアにいる。』
少しずつ、話題が膨らんでいった……。