第3章 ☆Story1☆ 人気者は大変
_美園鈴学園
この美園鈴学園は主に芸能人が通う小中高一緒の学園である。
ゆりたちは中等部の2年Aクラスに所属している。
そして獅依留は宿題をゆりに教えてもらいながら授業前に終わらせた。
「いやー……マジ助かったわ!
ありがとな!」
「どういたしまして……」
「「お疲れ様(苦笑)」」
「はぁ……そう言えば、まなは午後からグルメ番組だっけ?」
「うん、バタフライの百華ちゃんと一緒だよ。
千鶴ちゃんも、3時間目から抜けるんじゃなかったけ?」
「その予定よ。雑誌の撮影で、ハワイに行ってくるの。」
「「ハワイいいなー……」」
ゆり、愛美、獅依留は同時に呟く。
「あくまで仕事で行くよ。
でもお土産は買ってくるわよ。」
「「やったーっ!♪」」
「ったくもう……(苦笑)
獅依留も、今日は確かコンサートじゃなかったかしら?」
「まあね!中途半端な5時間目に抜けるよ(笑)」
「私は今日お仕事なしー……みんないいなー……」
「そういうゆりこそ、明日は1日中仕事だろ?」
「まぁね……」
ここの学生たちは芸能活動と両立させながら通っているため
ちょいちょいいないことが多い。
こうしてゆりが授業を受けていく中、
友人たちは仕事をしに順々と教室から抜けていった。
_放課後
「さて、明日はドラマの撮影……台本を暗記暗記……」
(早く寮に戻ろ……)
ゆりが寮に帰ろうと足を速めようとした時……
「お!ゆりぴーがいたぞ!」
「だよな!あの美園鈴学園の制服だし!」
「今俺らの声に反応したぜ!」
「えっ!?」
(なんで!?ちゃんと変装しているのにー!!涙
てかあの人たちって……こないだと同じじゃん……)
ちなみに彼らは通称「ゆりぴー親衛隊」、自ら名乗っている3人組である。
度々ゆりの前に現れる。いわゆるヤラカシの一種である。
「っ……!」
(早く寮に戻らなきゃ……!)
ゆりは慌てて走り出した。
「逃げたぞ!」
「追おうぜ!」
「いーやーっ!!(涙)」