第11章 ☆Story9☆ 試合観戦
ゆりside
席を確保したゆり、ユウはゆりの膝の上にちょこんと座っていた。
「……あっつい……」
(でもここで帽子とか取るわけいかないしなぁ……)
『アイドルは大変だねー……』
「……こんなの、慣れっこよ。
てか、喋らないの。」
『はぁい……』
そしてそれから10分ほど経った頃、開会式が行われた。
「……選手の人は、控え室なのかな……」
ちょっと残念がるゆり。
開会式が終わるといよいよ試合に入った。
「三船さん、いつ頃出るのかな……」
ただ憲吾を見るためにやってきたゆり、
ボクシングなど特に興味なかったゆりには殴り合いの試合にしか見えなかった。
『(笑笑)』
(どんだけ三船さんのことで頭いっぱいなんだろw)
憲吾side
「……次が、いよいよ俺か……」
「緊張しなくても、大丈夫だよお前なら!
あの生意気1年、一発KOにしてやれよ!」
「一発では無理あるだろ……それに、あの余裕……
そこらの奴らとは、違う気がする……油断はできねぇよ。」
「でもどっちにしろ、お前は強い。
そう簡単にやられるわけねぇだろ!親友の俺が言うんだからよ!」
「いまいち説得力ねぇな(笑)」
「んだよっ!親友の俺が勇気づけてやってんのによ!」
「はいはい、ありがとよ……」
(まぁ、とりあえず……全力でやるだけだ……相手が誰だと、関係ない……)
「……お、試合が終わったみたいだな。
いよいよ……」
「あぁ……行ってくる。」
「おう!」
ゆりside
『続いて、第5試合!赤コーナー、明風学園1年、諸星聡!』
『……ん?ねぇねぇ、あれ、三船くんじゃない?』
「ぇ……?」
ユウは青コーナー側に目を向けた。
ゆりも釣られるように見る。すると……
『青コーナー、海王工業高校3年、三船憲吾!』
青コーナーには憲吾の姿があった。
「っ……!」
(三船さん……)
_ボソッ『急に顔色変えちゃって(笑)』
_ギュッ…「っ三船さん……」
ゆりは祈るように胸元で握った。