第10章 ☆Story8☆ アイドルになる道
「パパ……」
「ゆり……」
「パパと、離れ離れで暮らさないといけなくなるの?」
「まぁ、な……でも、ずっと会えないってわけじゃない。
顔を合わせることだってできるし……そんなに、気を落とすな。
それに、お前は言ったよな?」
「っ……!」
「……どんなに、辛いことがあっても逃げない。」
「っ……」
「お前は、確かにそう言った。俺もその言葉を信じて、この答えを出したんだ。」
「っ……」
「……これくらいで、へこたれるなら、簡単に芸能人になるなんて言うな……。」
「っ……」
「っちょっと藤ヶ谷先生……ちょっと言い過ぎですよ(苦笑)」
「ゆりのために言っているんです。芸能界には、辛いことだって沢山できてきます。
俺は、それを見たこともある……だから、これくらいで弱音を吐くなら、
ここで辞めさせたほうがいい……」
「っそ「っパパ!私頑張るから!!」……ゆりちゃん……」
「……。」
「弱音、言ってごめんなさい……でも、私はアイドルになりたい……
だから、辞めさせないでください……!」
ゆりは太輔に向かって頭を下げた。
「……。」
「パパと、離れることはすごく寂しい……でも、
私は夢を叶えたい……みんなと一緒に……」
「……そうか、」
そしてゆりは顔を上げ…
「っ私、絶対頂点に立つ!
日本の、トップになる……そうなったら今度は、世界にも羽ばたきたい……」
「ゆり……」
「パパ……私、
夢を叶えるまで諦めない……!」