第10章 ☆Story8☆ アイドルになる道
_プルルルル…プルルル…
_ピッ『もしもし、こちらはSymphonyの黒木明人です。
どちら様でいらっしゃいますか?』
「っ……先日、原宿でスカウトを受けた北山来海の父の北山宏光です。」
『北山様でしたか……スカウトの件で、何か?』
「はい。」
『スカウトの件を、お受けに?』
「……その前に、」
「……。」
「「……。」」
太輔たちは息を飲みながら宏光に目を向けていた。
「……美澤瑛二社長に、一度お目にかかれないでしょうか?
僕一人ではなく、複数で……」
『……少々お待ちください。』
「……。」
「っどうなるのかしらね……」
「直接社長に確かめるってところだろうな……俺らに、会ってくれればいいけど……」
それから2、3分ほどが経ち、
『お待たせして、申し訳ありません。
美澤の方も、直接あなたがたと話がしたいと言っておられます。』
「っわかりました……」
『ご予定のほうは?』
「できれば、早めで……何なら、今からでもいいですよ。
親の身として、ちゃんと知りたいですからね……そう簡単に、子供らを渡すわけにはいかねぇからな……」
「っちょっとあなた……!
言葉使い……」
『わかりました。では、明日でいかがでしょうか?
その日は美澤のスケジュールも空いております。』
「明日で、お願いします。時間は、いつでも……」
『では、明日10時に。
お昼の方もこちらで用意させていただきます。』
「……お気遣いどうも、俺らの方でまとめて事務所に行きます。」
『お迎えは特によろしいのですか?』
「みんな住む場所が違いますからね……俺らが無理を言ってるわけですから、
そちらに迷惑はあんまかけたくないので……」
『……わかりました。
では、事務所付近に着きましたらこの番号にお掛けください。
受付の方にも伝えておきます。』
「わかりました。では明日……」
『お待ちしております。』