第8章 ☆Story6☆ ママの命日
「廉さーん、」
「あ、やっと来たな……」
「廉さん、ずっと待ってたんだよね(笑)
早くゆりちゃん来ないかなーって!」
「勇気!余計なこと言うんじゃねぇ!」
「廉さん、相変わらずのツンデレですね。」
「美男までうるせぇ!」
「相変わらずの3人でごめんね(苦笑)
廉、俺らは席を外したほうがいいか?」
「ん?あぁ……それでもいいけど……」
「わかった。
それじゃ、縁側のところで話して来たら?
虫の音色が綺麗だよ。」
「ふーん……んじゃ、そこ行くか。」
「ぁ、はい」
(今日はやけに移動するなぁ……)←
そしてゆりと廉は縁側に座った。
「廉さーんゆりちゃーん!
ここに麦茶置いておきますね。」
「ありがとうございます美男さん。」
「それじゃごゆっくりー♪」
美男は麦茶を置くと柊や勇気の元に戻った。
「……そういえば、美男さんって女性なんですよね。」
「あぁ、今頃になってどうした?」
「お二人は、両思いなんですよね?」
「一応な……」
「美男さん、いつまで男装してるんですか……?」
「……俺も、引退して女として過ごせって言ってたけどよ。
すっかり今の姿に慣れちまって、女の格好はいまいち不慣れなんだとよ(苦笑)
ま、俺が引退するまでは芸能界では、男としているって言ってる……」
「そうなんですか……」
(美男さんが女の人の格好してるの、見てた記憶がないんだよなぁ……ママやパパは見たことあるのかな……)
「脱線したけど話し戻すぞ。」
「ぁ、はい!」
「……お前にアレンジをしてもらいたいのは、
『Miss You』だ……」
「み、MissYouって……15年前くらいにアレンジした、曲……?
それをまた、アレンジするんですか……?」
「ま、そういうこと。
元々、この曲は俺の母親、水沢麗子が歌う予定のものだった。
けど喉に腫瘍ができて手術をしたから、レコーディングは叶わねぇものになった。
んで、そのままにしておくのもあれだったから俺が歌うことにした……」
「……。」