第3章 ☆Story1☆ 人気者は大変
今私に身につけているネックレス、
このネックレスは元々パパからママにプレゼントされたネックレスで、
パパもおそろいのネックレスをつけています。
ちなみにふたりのリングには、英語の文字が刻まれています。
パパのリングには
[I will protect Yuri for the rest of my life.]の英文、
意味は、僕は一生百合を守ります。
これはパパが、ママにプレゼントをした時に誓った約束、
つまり、パパはママの誕生日の時、一生ママを守り続けるって誓った証でもあります。
そして私が今つけている元はママのもののリングには、
[Dear Yuri
You're the most important person to me.
from F.T]の英文、
なぜかわからないけど、今も私の記憶に焼き付けられているあの日の夢……
私がまだ生まれたばっかりの赤ちゃんの頃……そう、
ママが死んだあの日に見た、あの夢……。
『まま、ここにいるの?』
_そう、そこに英語で文字が入っているんだけど
『よめないの。』
_ゆりはまだ赤ちゃんだもん(笑)
でも、その英語の意味……大きくなったら自分で調べてみなさい。
『……。』
あの日言われたとおり、
私は小学校で英語を習い始めそれぞれ英単語の意味を
自分で一から調べて、意味を完成させた。
ママのリングに刻まれた言葉、それは……
_あなたは私にとって大切な人。
つまり、パパにとってママはとても大切な人という意味が込められている……。
私とママは同じ名前、表記は違っていても、
ローマ字にしてしまえばまるっきり同じ名前……
きっとママはあの日、
このリングに刻まれたとおりパパは私を大切にしてくれるという意味を
紡がせるために私に託したものだと、自己解釈している。
パパも、それを分かった上で私にいつも、
『それは常に身につけていなさい』と、
言われ続けている……。
今でも、ママがここにいるから……と……。