第3章 ☆Story1☆ 人気者は大変
_Symphonyが管理しているとある寮、
ここはSymphonyに所属しているタレントたちが住まわされる寮である。
24時間厳重な管理がされており、
一般人が入ることは当然できないところで、限りある人しか入れない。
なのでアイドル達にとっては一番安全な場所でもある。
そんな寮に住むDolceのメンバーたち、そのひとりでもあるゆりは
タブレットで父である太輔とモニター画面で会話をしていた。
ちなみにタブレット画面から液晶パネルが浮き出ており
その画面上で会話することができる近未来的道具。
日本の技術はここ10年ちょっとでかなり進化してきた。
「パパ、今日はねー?バラエティー番組の収録してきたんだよ。」
『緊張したのか?』
「うん、自分の思ったようなことが喋れなくてさ……」
『慣れないうちはそんなもんだろ。お前のペースで頑張りな。』
「うん、ありがとうパパ。……ねぇ、」
『どうした?』
「……ママの話、聞きたいなって……」
『……。』
黙り込む太輔、ゆりの目の前に映っている父の顔は非常に険しかった。
「……ごめん、やっぱりダメだよね……」
『……ママは、もうこの世にはいないんだ。そんなに過去のことを引きずるな。』
「っ……ごめん、なさい……」
ゆりside
私とパパは3日に一度は必ずこうしてお互い顔を見てお話をしているの。
今日は、ちょっとママの話を聞いてみたいと思って
パパにダメもとで聞いてみたんだけど、
やっぱりダメだった……ママの話になると、
パパはいつも顔を険しくさせてしまいます。
それだけ、パパにとってママは大切な人です。