第5章 嘘つきは大嫌い【今吉翔一】
「・・・そか」
人なんて、な。
そんなもんやな。
あーあー、そんなもんやなあ。
「・・・そやな、・・・せやせや」
そんなもんやないか。
そんなもんや、そんなもん。
「・・・でもな、花宮。ちぃと、違うで」
そんなもん、やない。
そんなもんやから、なんや。
「・・・なに一丁前にそんなこと言ってやがんだよ」
「はは、せやなぁ。そやなそやな」
───吹っ切れた、言うたらちょい違うけどな。
すっきりしたわ、ここら辺が。すぅーと。
「はーなみやー」
「・・・」
答えへん。
そんなこと百も承知や。
・・・けど、今のワシは酔っとるからな。
「───おおきに」
───いつもは言えん言葉も、言えるんやで。
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夢に見る景色も、そうそう良いもんや無い。
夢は、夢や。
人に夢と書いて儚いやからな。
昔のお偉いさんはええこと言うなぁ。
─────そう、思っとった。
「・・・・・・は?」
『・・・っ』
────・・・思っとったん、やけどなぁ・・・
────なんで、こいつがここにおるん?