第4章 出逢うことの無かったふたり【火神 大我】
一気に捲し立てたせいで、息が上がった。
キャプテンに首根っこを掴まれた。
「何なんじゃい! 最近のお前は・・・」
「手を離すアル。汚いアル」
「汚いって何ッ!?」
パッと手を離され、ふらつきながらも着地した。
・・・やっべぇ・・・こいつの体じゃ負担になっちまってたな・・・
額の汗をぬぐうと、視界が暗くなる。
顔をあげると、タツヤが微笑みながら立っていた。
「・・・ったく、お前には毎回困らせられるよ・・・」
『え?』
ボールを手に取ったタツヤは振り向きながら笑う。
「じゃ、再開しようか。・・・タイガ」
─────────────────
─────---
【ちょっと! めちゃくちゃ筋肉痛酷いんだけど!】
『わ、悪かったって・・・』
殴り書きなんてもんじゃねぇ。
もうボコボコにするくらいの筆圧でデカデカと書かれた文句。
開いた瞬間驚いちまった。
取敢えず、今日あったことを書いて、
油性ペンで腕に書く。
【体力つけろよ】
きっとこの言葉にも、文句をだらだらと書くんだろう。
そう、思っていたのに。
何故か、もう二度と。
俺と維の入れ替わりは、
起きなかった。