第1章 似た者同士は惹かれ合う?【花宮真】
「ちょ、何してくれてんの・・・」
『へ!? あ、ごめ・・・
・・・いやいや!今の悪いのきみ!』
「ははっ、やっぱジョーダン通じないわー」
『年上からかわないの!』
へいへーい。
全然反省してない感じの返事。
わかってないな。
『で、何しに来たの?』
「あー・・・寝不足だから寝ようt」
『めっちゃ元気そうじゃん。
これ目に乗っけて冷やしなさい』
「ちぇー」
唇を尖らせて保冷剤を持って出ていく原くん。
な、なんだったんだ、あの触り方・・・
めっちゃ女慣れしてたよね!?
あんな若いうちから大丈夫なの?
・・・と、とりあえず・・・
危ない子は追い払えたね。
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お昼まであと30分・・・。
今日もみんな健康で何より。
・・・さっきの一人を除いてだけど。
『・・・!』
あーまた、もう・・・。
これで何度目だろう。
さっきからずっと、2年の廊下を眺めてる。
二時間目は体育だったよね、って
体育館を眺めたり、
校庭を見てみたり・・・。
どうしたんだろう、私は・・・。
そんなこんなで悶絶していたら、
あっという間にお昼のチャイム。
購買のパンを買う余裕はあるから、
あのクリームパン買っていこう。
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まだ食堂には生徒が居ない。
きっとみんな、
「お昼のチャイム鳴ったじゃん。早く終われよ」
とか思ってるんだろうな。
わかるわかる。お昼に限って先生って授業延ばしたりするよね。
私も学生だった頃それでよくイライラしてた。
・・・懐かしい。
『おばちゃん、ミルクパンくださーい』
「あらま。先生がこんなとこに居ちゃダメでしょ。仕事場戻りなさい」
『みんな元気な子だから大丈夫ですよー』
「おや、そうかい?
・・・先生、ドレスアップなんかしちゃってどうしたの」
『へへ・・・今日、友人の結婚披露宴で』
「あれま。先生のじゃないんだねぇ」
『うっ・・・それは突かないでください・・・』
ミルクパンをくれたおばちゃんにありがとうを言って封を開けた。
歩き食いはダメだけど、誰も見てないしいいよね。