第4章 出逢うことの無かったふたり【火神 大我】
「・・・何だ・・・これ」
後ろのページもめくってみるが、何も書かれてはいない。
ここだけに、意味不明な言葉が書かれていた。
これもまた、不思議な名前の字と同じく、丁寧に書き込まれている。
・・・何だ、これ・・・
今日何度目かの疑問。
それくらい、頭の中を疑問符が埋め尽くしていた。
・・・何が、どうなってんだ・・・
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それから、変なことは度々起きた。
まず、周りが怪訝そうに訊いてくる。
黒子なんかは、
「君はもう助からないかもしれませんね。大丈夫です、お葬式には出てあげます」
なんて抜かしやがった。
そして、俺自身。
異変が起きた次の日は決まって制服のままで、夕飯も和食テイスト。
飯がこれでもかとまで炊いてあって、それの半分がごっそりなくなってる。
古文のノートに残っていく文字は日に日に増え・・・
【あなたこそ誰よ】
【シティライフ万歳】
【夕飯は和食にしなさい】
【練習キツすぎ・・・バスケ嫌いになりそう・・・】
【黒子くん心臓に悪い】
・・・最後はほぼほぼ説教と愚痴。
─────まさか、とは思うが。
「・・・いや! ありえねぇよ!!」
古文のノートに書かれた文字。
腕に書かれたいた名前。
時々ごっそり抜ける記憶。
─────────────────
『まさかとは思うけど・・・』
「いや、信じらんねぇけど・・・」
────お前は誰だ?─────
────あなたこそ誰よ────
『でも、そうとしか考えられない』
「───俺は、」
『───私は、』
────ド田舎すぎる─────
────シティライフ万歳────
『夢の中であの男の子と、』
「夢の中であの女と、」
『「入れ替わってる!!!!!?」』