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何よりも大切な君に。【黒バス】

第4章 出逢うことの無かったふたり【火神 大我】


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玄関を出て、息を呑んだ。


「・・・東、京・・・?」


全然違う景色。

風の香りまで違う。

車の行き交う音が聞こえる。

高層ビルが朝日を反射してる。


────紛れもなく、東京。



「・・・よし」

喧騒の一歩手前。

この一歩を踏み出せば、未知の領域だ。


「・・・はぁ・・・」


人がたくさん。


「・・・はぁ・・・っ」


高層ビルが輝いてる。


「・・・東京、だぁ・・・!」


全部が、光って見える。




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「───おらぁ!! 火神ぃ!!!!!」


「ひっ!?」


学校に着いた瞬間、どこからか響く盛大な怒鳴り声。

こ、怖っ・・・
やがしめ(うるさい)なぁ・・・

そんけ怒らなくてもいいじゃない。


やっぱ東京の人は怖い。


そう思ったまま足を進めると・・・



「無視すんじゃねぇよ!!!!!」


「ぎゃあ!?」



お尻に、1発。


結構な勢いで蹴りを入れられた。


い、いったぁ~・・・!


「な、何して・・・っ!

・・・ひっ」


文句のひとつでも言おうかと口を開いたけど、その顔を見て固まってしまった。

眼鏡の奥が闇だ・・・


「あ"ぁ? なに朝練サボってんだよ・・・お前にそんな余裕あんのかよ。こっちはカントクの怒りぶつけられてもう余裕なんてねぇんだよぉぉお!!!!!」


一気に大声で捲し立てられる。

し、しかも泣いてるし・・・


「えと・・・ごめんなさい?

・・・あ、もしかして黒子くん?」


「・・・」

「・・・?」


何その汚物を見たような目・・・酷い。



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「・・・え、ちょ、え!?」

「いーから歩けダァホ」


背中を押されたまま歩みを進められる。

着いたのは・・・体育館?


「おーい、火神来たぞー」

「え・・・・・・ひっ!?」


着いた瞬間向けられる殺気。

な、何? 何なの!?


「おらぁ・・・火神ぃ・・・」

「お前にそんな覚悟があったとはな・・・」

「・・・ッハ!恨めしいラメ!キタコレ!」


・・・え?


「え、ちょ、何・・・これ?」

「ふざけんなよ。つかお前頭大丈夫かよ。俺のこと誰だと思ってんだよ」

「えっ? えぇ・・・?」
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