第3章 記憶の中の彼女【赤司 征十郎】
維side───────────---
『っひ・・・くっ・・・ぅ・・・・・・
・・・!?』
朝、目が覚めると泣いていた。
夢? また、夢落ちなのかな?
どんな・・・夢だっけ?
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「維! そっち文化祭何やるの?」
『あー・・・カフェ』
なーんだ! 在り来たりじゃん!
・・・そんなの分かってるよ。
でも、くじなんだよ!
もう運だよね! 何かもうやる気失すよね!
『まー、頑張るけどさ』
高校最後の文化祭。
・・・だから、頑張るんだ。
・・・とは、言ったけれど。
『な、何で・・・』
「似合うから!」
『何で私が・・・』
「呼び込み、よろしくね!」
『・・・何で私が、け、警察・・・』
見上げると、恨めしく大きく飾られた看板【コスカフェ】。
ネーミングセンスは置いておこう。
だけど、だけどもさ!
『わ、私厨房って・・・』
「ヘルプ居るから大丈夫!
さっ、行った行った!」
・・・追い出された。
ピチピチのミニスカ。
えと・・・スリットスカート?だっけ・・・
ネクタイもきっちり整ってて、
髪型も強制的にポニテ。
・・・はぁー・・・。
「え、柚井?」
『・・・ゲッ』
バスケ部のメンバーが目に映る。
うがー!やだ!!
「何でこんな格好してんの?ウケ?」
『違う! 看板見てよ』
「・・・【コスカフェ】? ダサくね?」
『ちょ、失礼だな・・・』
ダサくてすいませんね。
「はぁー、だからこのコスプレか」
『そうそう』
「まぁ、似合ってるからいんじゃね?」
『・・・え?』
頑張れよー
そう聞こえる声も遠くて。
・・・似合って、る? の?
・・・先生は、どう思うかな・・・?
・・・反応に困って苦笑いしそう。
それはそれでショックだけど。
・・・それとも・・・
少し、褒めてくれる・・・かな?