第2章 そんな毎日が幸せだった。【伊月 俊】
キスの合間に聞こえた声は、
胸の奥が締め付けられる。
「・・・帰ったら、続きしよう」
『・・・へ!?』
確かに私、まだ子供。
だけど、それでも大好きな人見つけた。
目の前で笑う先生は、いつも私を締め付ける。
・・・つくづく、謎過ぎて苦しくなる。
「・・・え? さっきの?」
『うん。カントク?だっけ?』
「あーうん。高校の頃の」
『綺麗な人だね』
「はは・・・料理見たら絶句するよ。
ハッ、尾瀬の景色に、おお!絶句!」
『・・・ぷっ・・・ははっバカだー』
「なっ」
ブンブンと振った腕の先は、
大事なあの人と繋がれてる。
【終】