第2章 そんな毎日が幸せだった。【伊月 俊】
何してくれてんですか!!!!
ぐ、っう~~~Oops!
声にならない悲鳴が身体中を駆け巡る。
脳みそは体に信号を送るのに必死で、筋肉も血液も大騒ぎしていた。
その場に踞る。
もうこの体勢しか出来なかった。
「え、えと、その、マズい?」
『コクコクコクコクコクコクコク))』
床に頭を打ち付けるほどの頷き。
おデコ痛い。
『・・・っ先生はっ、定職があるからいいんですよ! 東京のマンションにでも住めるんでしょ!
でも私はマジで、マジでマジでギリギリなんすよおお』
「え、いや俺別にマンションじゃ・・・」
『アパートでしょどうせ! 結構高い!』
「どうせって何!?」
ショック受けてるみたいだけどそれ以上にショックなの私だよ!
『どうしてくれんすか、ほんと・・・』
「俺んち、来なよ」
『・・・・・・、
・・・今月ピンチなんですよ、カラオケも我慢したし、』
「俺んちなら、タダだけど」
・・・何言ってんの、この人。
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『え、ちょ、ほんとに!?
マジで先生んち!?』
「うん。今月中はここ居てよ。それからは自分で居るか居ないか決めていいからさ」
・・・・・・HA?
『なんで今月中・・・』
「今月って言ってもあと少しだし、バイト入れすぎて授業中寝るとか本当ダメだからな」
『うっ』
あ、もしかして運んでくれたの先生?なのかな?
カチャッとシートベルトを締めながら訊ねる。
『先生が保健室まで運んでくれたの?』
「うーん、運んだって言うか誘導したって言うか・・・
・・・ハッ! 混んだけれど運んだ!」
『・・・何言ってんの』
・・・ちょ、ちょっと上手いじゃん・・・ダジャレ。