• テキストサイズ

何よりも大切な君に。【黒バス】

第2章 そんな毎日が幸せだった。【伊月 俊】


維side──────────────


『・・・・・・っん・・・』

目を覚ますと、シルクの心地好さ。

パッと起き上がると夕陽が染みて橙に染まっている。

『・・・寝ちゃってた!?』

やばい、どうしよう。

覚えている記憶は・・・必死になって席についた所まで。

眠気が襲ってきて、それどころじゃなかった。

『・・・あ・・・バイト!!!!』

寝ている場合じゃない。

この時間を逃したら、今月は生活出来ない。

そう思い、教室に鞄を取りに行こうと踏み出すと。


『! い、伊月、先生・・・?』


先生が椅子に座って寝ていた。

傍には私の鞄。そして上着。

待ってて、くれたの?


『せんせ、先生』

「・・・・・・ん・・・ぁ、起きたか?」

『先生こそ起きました?』

「あぁ・・・寝てたなぁ・・・」


欠伸をして伸びをして居る。

先生の寝顔、綺麗だったな・・・。

オレンジに染まって、前髪が靡いて。

綺麗、って言うんでしょう?

『待っててくれたんですか?
ありがとうございます』

座ってる先生に頭を下げる。

頭下げなくていいよ

って、撫でるように響く声。

心地好くて、眠っちゃいそう。


「それより、この後のバイトは休みにして貰ったよ」

『・・・・・・はい?』

「さっき電話来て。いつも遅れず来てくれるからいいよ、って言ってたよ」


・・・休みに、した?


『な、』

「な?」




『な─────何してくれてんですか!!!!』






校庭に居る野球部までもが振り向いてしまうほどの叫び声。

心の底から這い上がってきた声だった。

/ 144ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp