Ég mun fela þig(進撃の巨人・ライナー夢)
第2章 彼女の世界
「―マム。マム.メニヤ」
呼び声に誘われてハッと目を覚ました時、目の前にいたのは自分の部下の女性だった。
彼女は自分に向けて敬礼をすると、こちらのうたた寝を妨げたことを謝ることもなく要件を口にする。
「元帥殿からの伝言です」
「どうぞ、続けて」
「ライナー・ブラウンについての結果を一刻でも早く報告しろ。とのことでした」
ため息が出たのはたぶん無意識のことだった。座りながら眠っていたことから首や背中が痛む中、一瞬思いを空中に巡らせる。
次の報告が最終決定に大きく影響することは知っていた、だからこそ慎重になりたいという旨を以前から伝えているのだがなかなかに猶予はないらしい。