第1章 幼馴染のアイツ
顕嵐:「とりあえず明日からマジで覚悟しといてよ?」
凛花:「?」
顕嵐:「俺 マジでお前のことを惚れさせるから。」
凛花:「⁉︎」
顕嵐は凄い宣言を残すと私を立たせた。
顕嵐:「とりあえず帰ろっか。」
そう言うと顕嵐は何事もなかったかのようにいつも通り私の家まで送ってくれた。
顕嵐:「じゃあ おやすみ。」
凛花:「おっ...おやすみ...。」
私は顕嵐の顔を見ずにそう言うと慌てて家の中に入って鍵を閉めた。
まだお母さん達は帰ってきてないみたいで 家の中は真っ暗だ。
凛花:「どうゆうことなの...⁉︎」
私は頭を抱えたままそのままドアを背にズルズルと床にしゃがみ込んだ。
“もうさすがに付き合ってるんだよね?”
“俺が凛花のこと好きってこと”
今日は言われたことが頭の中で反響する。
もしかして私以外の人は皆 顕嵐が私のこと好きなこと知ってたのかな...。
というかいつから顕嵐は私のこと好きだったんだろ...。
待った!そんなことよりも!
明日から顕嵐とどんな顔して会えばいいんだろ...。
“とりあえず明日からマジで覚悟しといてよ?”
“俺 マジでお前のことを惚れさせるから”
あんな強烈な宣言までされて...合わせる顔がないよ...。
それに顕嵐があんな風に宣言したからには何が何でも絶対に宣言したことは達成させる。
幼馴染だからこそ分かる。
凛花:「...。」
そして今までこんなに人との関係を気にしたことがない私にとって今日の1連の出来事は私の頭のキャパを軽く超えてしまい 思考回路がショートした。
ー翌日ー
「あら。今日は凄く早いのね。」
凛花:「うっ...うん。これからは早めに行って勉強でもしようかなって...。」
「そう。顕嵐君はまだ来てないけどいいの?」
凛花:「!うっ...うん。」
これ以上いると何かお母さんに言いそうで 私は「じゃあ行って来ます。」と言って玄関から出た。
いつもの時間よりも1時間早く出た。
顕嵐の家は私の家と近いけど それでも歩いて10分ぐらいはかかる。
それに家から駅までは顕嵐の家の前を通らなくても行けるからバレることはー...。
顕嵐:「おはよ。凛花。」
凛花:「⁉︎」
頭の中で万全の対策を練ったと思っている横から 聞こえるはずのない声が聞こえてきた。