第3章 優しいアイツ
怜央:「それにさ...。」
そう言うと怜央は腰を上げて私と同じ目線になって言った。
怜央:「俺が好きになった子なんだから。それだけで十分自信にならない?」
凛花:「?」
怜央:「好きなヤツから言われたらそれだけで十分じゃない?」
凛花:「!」
そう言うとニコッと笑って怜央はおでこにキスをした。
怜央:「...本当に可愛い...。...大好きだよ。」
凛花:「〜!」
熱い視線で見つめられながらいつもより少しだけ低い声で言われ 私は恥ずかしく視線を逸らした。
すると怜央はクスッと笑いながら真っ直ぐ立ち上がると 私の方を見ながら言った。
怜央:「凛花は?」
凛花:「...私も...。」
怜央:「“私も”何なの?」
怜央はニヤッと笑いながら私に言った。
“好き”とか“大好き”とか言えないのを知ってるのに聞いてくるとか意地悪だ。
凛花:「わっ...分かるでしょ...。」
怜央:「俺 バカだから分かんなーい。」
ニコニコしながら私を見ている怜央をキッと睨んだけど 怜央はケラケラっと笑うとおどけたようにして言った。
怜央:「俺のこと置いて帰ろうとした罰でーす。」
凛花:「〜!」
怜:「ちゃんと言って?」
凛花:「...き。」
怜央:「聞こえなーい。」
凛花:「だーかーらー!...!」
するとクスクスと笑いながら怜央はまだおどけたように言う。
怜央:「聞こえないなー。」
凛花:「...。」
確信犯だ。
さっきの聞こえてるはずなのに更にまだ言わせるなんて...。
そう思うと少し怜央にムカついた。
怜央:「もう1回言っ...ー」
ムカついた私は怜央にひと泡吹かせたくてネクタイを掴んだ。
怜央:「!」
凛花:「...っ!」
そして自分の方に引き寄せて触れるだけのキスをした。
凛花:「私も怜央のことが好き。」
怜央:「...っ!」
鼻が触れるキョリで怜央を真っ直ぐ見つめながらそう呟いた。
怜央の反応が見たかったけど それよりも私が恥ずかし過ぎて真っ赤になってる顔を誰にも見られたくなかった。
だから私は怜央に抱きついて顔を隠した。
すると怜央は私の頭をゆっくりと撫でながら言った。