第3章 優しいアイツ
怜央:「てっきり俺が何かしたのかと思った...。...って結果的にしたことになっちゃうのか...。」
凛花:「...何で笑うの...。」
私は笑われたことが納得できなくてムスッとした顔で言った。
すると怜央は私を真っ直ぐ見つめながらいつもの笑顔よりも更にキラキラな笑顔を浮かべて言った。
怜央:「今まで以上に凛花のこと 可愛いって思ったから。」
凛花:「〜!」
そう言うと怜央は地面にしゃがむとバッグの中からあの包装紙に包まれた物を出した。
怜央:「これのことだよね?」
凛花:「うん...。」
すると怜央は苦笑いをしながら私を見上げて言った。
怜央:「実はスマホを見つけて体育館に向かってる時に あの子に押し付けられるようにして渡されたの。」
凛花:「押し付ける...?」
怜央:「うん。こうやって。」
そう言うと怜央は包装紙に包まれた差し入れをあの子がやったと思われる動きを再現した。
怜央:「俺は凛花のことを好きになった時からそうゆうのは受け取らないからって皆に言ってたから渡す人は少なくなったんだけどそれでも渡す子がいて...。」
凛花:「うん...。」
怜央:「時間もヤバかったし返そうと思っても逃げるようにいなくなっちゃったからどうしようかと思ってとりあえずポケットに入れてたって話。」
凛花:「そうなんだ...。」
怜央:「凛花に言おうかどうか迷ったけど不安に思って欲しくないし誤解されたくなかったから黙ってた。...でも逆にそっちの方が不安にさせて傷つけちゃったね...?」
そう言うと怜央は長いうてを伸ばして私の頬に右手を添えて 親指で目尻を優しく撫でた。
怜央:「ごめんね?」
凛花:「ううん...。私も怜央のこと信じられなくてごめん...。」
俯いてそう言うと怜央はクスッと笑って言った。
怜央:「ねぇ凛花。」
凛花:「何?」
怜央:「何で凛花はそんなに自分に自信がないの?」
凛花:「えっ...。」
怜央:「凛花は誰がどう見ても可愛いんだし性格も良い。だからもっと自分に自信を持ちなよ。」
凛花:「そっ...そんなことないよ...!」
怜央:「知らないだけだよ。」
怜央はクスクスと笑いながら私の頬をそっと撫でた。