第1章 幼馴染のアイツ
そんなことで騒いでいると 昼休みの終わりを告げる予鈴が鳴った。
咲良 :「じゃあ私達は戻るねー。」
凛花:「んー。」
そう言うと私は弁当箱をしまって 5限目の準備をした。
次の授業は数学 ⅡBか...。
そんなことを思いながら机に肘をついてボーッとしていると さっき言われたことを頭の中で反芻した。
“だってやってること ほぼカレカノだからね”
“貴女のことを好きな可能性が高い”
確かに顕嵐は小さい頃からカッコよかったと思うけど 最近は特にカッコよくなった気がする。
これはあくまでも客観的な意見だ。
でも長年ずっと一緒にいる顕嵐のことを急に異性の対象として見るのは難しい。
それに私と顕嵐が付き合うところなんて想像もつかない。
...そう思ってたハズなのに...。
ー放課後ー
咲良:「じゃあねー。」
凛花:「バイバーイ。」
私と咲良達は教室で別れると 2人は駅へと向かい 私は図書館に向かった。
授業中眠ってしまう私だけど 一応勉強はちゃんとするタイプ。
だから毎日 放課後にその日の宿題とか予習・復習は終わらせる。
そしてそれに毎日顕嵐も付き合ってくれる。
私よりも要領よく何事も習得していく顕嵐に分からないところを教えてもらいながら黙々と解くのがいつものスタイル。
今日は顕嵐が日直で日誌を書かなきゃいけないから 私は先に図書館に行っていつも座ってる奥まったところにある4人掛けのテーブル席に座った。
とりあえず 咲良のコピーさせてもらったノートを写して問題を解いてると私の向かいの席に人の気配を感じた。
顕嵐かな?
そう思って顔を上げると そこには顕嵐ではなく顕嵐と仲の良い美勇人がいた。
凛花:「あっ。美勇人。」
美勇人:「ヤッホー。」
ヘラっと笑いながらそう言うと私の向かいの席に座った。
美勇人とは中学から一緒で ヘラヘラしてて頼りなさげ...というかかなり頼りないけど 時々妙な力を発揮して頼りになることがある。
凛花:「美勇人が図書館にいるなんて珍しいね?」
美勇人:「まぁね。」
そう言うと美勇人はテーブルに片肘をついて顔を乗せながら 私の顔を真っ直ぐに見つめた。
美勇人も顕嵐に負けず劣らずイケメンだから さすがにそんなに見られると変な汗が出るんですが...。