第1章 幼馴染のアイツ
凛花:「そんなにがっかりされることなの?」
意味が分からずそう言うと 当然も言わんばかりに2人は大きく首を縦に振って頷いた。
すると2人は周りをキョロキョロと見回してから椅子を近づけた。
結奈:「だってやってること ほぼカレカノだからね?」
凛花:「そーかな?」
口を開いて再びジュースを飲みながら言った。
咲良:「例えば毎日登下校してるところとか!」
凛花:「あー。あれは私のことが心配だからだよ。すぐに迷子になるし。」
咲良:「いやいや!いくら幼馴染でもそこまでしないって!」
結奈:「じゃあ手繋いで登校とか!」
凛花:「それは私が走るの遅くて遅刻しそうだったからだよ。」
私はクスクス笑いながら2人に言った。
咲良:「横抱きしたところとか!」
凛花:「んー...多分動けなかったから面倒臭くてしたんじゃない?」
結奈:「電車の中で人混みから庇ってくれるのは⁉︎」
凛花:「それはさっきも言ったけど 私が迷子になっちゃうから!」
すると2人はやっと諦めたのか項垂れた。
凛花:「2人とも考え過ぎだよー。」
私はそんな2人の様子にケラケラっと笑いながら言った。
結奈:「でもさー...。正直あんなにイケメンな幼馴染がいてどうも考えないの?」
凛花:「別に何にも考えないよ?」
咲良:「本当?」
凛花:「本当。」
咲良:「勿体無いなー。」
咲良は大きく溜息をつきながら言った。
結奈:「...というか顕嵐君が可哀想...。」
凛花:「...?」
結奈も大きく溜息をつきながらそう言った。
この展開でどうして顕嵐が可哀想なんだろ?
咲良:「1度ネットとかで調べてみるといいよ。」
結奈:「あー。咲良。それじゃダメ。今調べさせないと。」
そう言うと結奈はスマホを片手で操作すると検索画面を見せてきた。
結奈:「ほら。見てみて。」
そう言われて検索画面を見てみると “貴女のことを好きな可能性が高い”と書かれていた。
凛花:「好き...可能性が高い...。」
咲良:「これを見てもどう思わない?」
凛花:「でも顕嵐がこれに当てはまるとは限らないよ。」
私はそう言うとスマホを結奈に返した。