• テキストサイズ

気になるあの人

第3章 優しいアイツ



そして散々抱きついた怜央は髪の毛にキスをすると離れた。

怜央:「暇だから俺も準備手伝う。」

凛花:「えっ。でも他にもすることがあるんじゃ...。」

怜央:「いいの。俺がしたいだけだから。」

そう言うと怜央は私達の手伝いをした。

いつもなら友達と話しながら来るのに。

変なの。

そう思いながらも 怜央と一緒にいる時間が増えて嬉しく思ってしまう。

私は頬が緩んでしまわないように唇をキュッと結ぶと 怜央の横顔を盗み見しながら仕事をこなしていった。

準備が終わる頃には他の部員がやって来て ストレッチなどを始めていた。

凛花:「怜央。」

怜央:「ん?どうした?」

凛花:「もうそろそろで練習始まるからストレッチとかしたほうがいいんじゃない?」

怜央:「本当だ!じゃあいって来るね。」

そう言うと私の頭をそっと撫でて 友達の元に行ってストレッチや体操を始めた。

コーチから連絡事項を聞き 私と萌は選手1人ひとりのデータを記入するボードとペンを持ち 怜央達は4つあるゴールに均等に分かれてシュート練習を始めた。



怜央達が練習を始めて1時間が経った頃。

体育館のギャラリーにはたくさんの女の子が集まり 少しだけざわついていた。

萌曰く これは全部 怜央のファンらしい。

さすが人気者は違うな。

なんて思いながら毎日見ている。

そして休憩時間や水分補給で怜央達が練習を中断するとギャラリーからは黄色い声援が聞こえる。

「怜央くーん!頑張ってー!」

「怜央くん カッコいいー!」

それに対して怜央はニコッと笑って軽く手を振りながら対応していた。

何かアイドルみたい。

この光景を見る度にいつも思う。

それと同時に こんなキラキラで人気者な人が私の彼氏なんだって思う。

そして時々考えてしまう。

本当に私が彼女でいいのかって。

だって萌がいなかったら話すこともないまま卒業していく関係だったはず。

だから私が怜央のことを好きでもいいのかなって思ってしまう。

...こんなこと 絶対に誰にも言えないことだけど。

そんなことを思いながら怜央のデータを用紙に書き込んでいく。

真剣な顔でゴールを見つめる横顔 カッコイイな。

...あ。ダメダメ。今は仕事に専念しないと。

そんな葛藤をしながら次の選手のデータも着々と記入していく。




/ 66ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp