第3章 優しいアイツ
凛花:「...分かったよ。」
怜央:「じゃあよろしくね。凛花。」
凛花:「っ⁉︎」
怜央:「後 俺が本気ってこと忘れないでね?」
最後の言葉だけ私の耳元で囁くようにして言うと 彼は私の唇に触れるだけのキスをした。
その後 怜央が本当に私のことを好きであることが分かり 私も怜央のことを好きになっていき 現在に至る。
1年前と変わらず 怜央は私に対して甘々な言葉を毎日言ってくれる。
ただ 怜央曰く私はどうやらツンデレ?クーデレ?らしく あまり素直に感情を表わすことができない。
寧ろ素っ気ない態度を取ってしまうことが多い。
実際私も怜央の言動にどうしていいか分からないし 初めての彼氏だからどうやって付き合っていったらいいのか分からないから仕方ないよね。
昔のことを思い出していると既に時間が10分程過ぎていた。
すぐに準備をしないと。
私は顔を洗い歯を磨くと急いで制服に着替えた。
そしてバッグの中を見て忘れ物がないかを確認し終えると同時に スマホが振動した。
画面をタップすると怜央の声が聞こえた。
怜央:「おはよー!凛花!」
凛花:「ん。今行く。」
怜央:「了解!」
そう言うと私はコートを羽織りマフラーをグルグルと巻くと バックを肩にかけて家から出た。
マンションから出るとエントランスの壁にもたれかかっている怜央がいた。
やっぱり身長が高いしスタイルが良いから そうゆう姿がよく映える。
カッコいいな。
でもこんなこと絶対言えないから私は赤くなる頬を隠すようにマフラーに顔を埋めた。
怜央は私に気付くと壁から離れて顔の横で手を振った。
怜央:「おはよ!凛花!」
凛花:「ん。おはよ。」
怜央:「今日も可愛いね。」
凛花:「!」
そう言うと怜央は前髪にそっとキスをした。
怜央:「じゃあ行こっか。」
ニコッと笑ってそう言うと 怜央は私の右手に自分の指を絡めながら繋ぐとそれを怜央の着てるコートのポケットに入れた。
怜央:「これで少しは暖かいでしょ?」
凛花:「...うん。」
私は僅かに頷きながらそう言うと心臓がバクバクと大きな音を鳴らすのを感じながら駅へと向かった。