第3章 優しいアイツ
ー放課後ー
私は久しぶりに友達と一緒に帰ることになった。
なので3人で下足室に向かい学校を出ようと正門へ向かっていた。
うちの学校は下足室から正門まで少し遠いよな。
そんなことを思いながら友達と話しながら歩いていると 後ろから名前を呼ばれた。
振り返るとそこには走ってきたのか少し息が上がってる彼がいた。
怜央:「凛花ちゃん!」
凛花:「えっ...ウソ...。」
彼は私の前まで来ると大きく深呼吸してから私の目を真っ直ぐ見つめて言った。
怜央:「凛花ちゃん。」
凛花:「...何ですか...?」
怜央:「...どうしたら本気だって信じてくれる?」
昨日去り際に言われた言葉を言われた。
凛花:「どうしたらって...って言われても...。」
怜央:「突然なことで驚いてるのは分かる。でもこれはイタズラでも罰ゲームでもなく本気なんだ!」
少し声が大きくなり ただでさえ長身でイケメンでいるだけで注目される彼が更に注目される。
...正直 私は静かに学校生活を送りたい。
なのにどうして私が彼のせいで毎日憂鬱に学校に行かなきゃいけないんだ。
そう思うと何故だか腹立たしくなり とっととYESと答えてしまおうと思った。
後で“イタズラでしたー”とか言われて冷やかされてもすぐに収まる。
人の噂も75日と言うし。
そう思った私は溜息を吐きながら言った。
凛花:「...分かったよ...。」
怜央:「え?」
凛花:「だから...長妻君が本気だってこと ちゃんと認めるから。」
怜央:「本当?」
凛花:「うん。」
怜央:「じゃあ俺と付き合ってくれる?」
凛花:「うん。」
すると私がこんなに渋々っといった感じで言ってるのに 彼はとても嬉しそうにニコニコとしてる。
あっ。尻尾がブンブン揺れてる。
怜央:「ヤッター!」
凛花:「...。」
怜央:「じゃあこれからよろしく!」
凛花:「はっ...はぁ...。」
さぁ 早く出てこい。ドッキリ発表係。
でもいくら待っても出て来ることはない。
これはもしかして...。
凛花:「ねぇ。長妻君。」
怜央:「ん?何?」
凛花:「...もしかしてさ...私達って本当に付き合うの?」
怜央:「え。そうだよ?」
彼は爽やかな笑顔を浮かべてそう言うと当たり前のように言った。