第3章 優しいアイツ
すると周りの声が聞こえて来たのか 彼は真剣な顔をしながらな言った。
怜央:「悪いけど罰ゲームとかイタズラで言ってるわけじゃないから。」
彼の表情と言葉に何かを感じ取ったクラスの皆は黙ってしまった。
怜央:「...。」
凛花:「...。」
「「...。」」
クラスの子や担任も含めて私と彼を見つめていると LHRの終了を告げるチャイムが鳴った。
すると我に返った担任は手をパンパンと叩いて言った。
「はっ...はい!LHRは終わりです!いまから掃除なので持ち場にいって下さい!」
そう言うとクラスの皆は机の上に椅子を上げて教室の後ろへと詰めた。
怜央:「...どうしたら信じてくれる...?」
凛花:「えっ...。」
怜央:「...。」
そう言い残すと彼は自分の席に戻り机を後ろに詰めると持ち場に向かった。
その時の彼の顔は目を潤ませて酷く悲しそうな顔だった。
うちの学校は掃除が終わるとそのまま自由解散だ。
私は教室の清掃が担当だったので直ぐに掃除を終わらせると 走って帰宅した。
久しぶりに走ったせいか胸が痛くて息をするのが苦しく感じた。
ー翌日ー
さすがに学校に行くのが憂鬱になっていた。
寒いのもそうだけど それよりも彼が 長妻怜央がいるからだ。
教室に入ると私のことを皆が見ていたけど特に気にせず自分の先に座った。
そして友達といつものように話していた。
友達は昨日のことが気になっていたのか私に話題を振ってきた。
「そういえば昨日はびっくりしたよね?」
凛花:「そうだね。何のイタズラか罰ゲームか知らないけど 長妻君も可哀想だよね。」
「でも長妻君 もしも本気なら厄介だよ。」
「えっ!それどうゆうこと?」
凛花:「?」
「長妻君って意外と肉食系な気がするんだよね。」
「普段はあんなワンコなのに。」
「うん。その人の性格とキャラってイコールではないじゃん。」
凛花:「まぁそうかもね。」
「長妻君はキャラはワンコだけど バスケの練習してる時の様子見てたら欲しいポジションとかは何が何でも手に入れるからそうかなって。」
「なるほどねー。」
すると2人はニヤニヤと笑いながら私を見て言った。
「「まぁ頑張ってね。」」
凛花:「よく言うよ。」
私はため息をつきながらそう言うと項垂れた。