第1章 幼馴染のアイツ
顕嵐:「大丈夫か?」
凛花:「もっ...もう一歩も動けない...。」
地面にヘタレ込んでる私に顕嵐はクスクス笑いながら顔を近づけて言った。
顕嵐:「じゃあ仕方ないから昇降口まで送ってあげる。」
そう言うと顕嵐は私を横抱きにして昇降口まで運んでくれた。
昇降口まで横抱きにして送ってもらうと 私の足の力も回復して何とか5階にある教室までたどり着いた。
顕嵐とは同じ教室だけど 私は廊下側の前の方の席で顕嵐は窓際の後ろの方の席だから教室の入り口で前後に分かれて入った。
凛花:「はー...疲れた...。」
机に頬を引っ付けるとそのまま眠りについた。
「...か。...。...凛花ー!」
凛花:「んー...。」
唸りながら声に答えるように瞼を開けると そこには友達の結奈と咲良がいた。
結奈:「随分と長く眠ってたみたいだねー。」
凛花:「えっ。...もしかしてもうお昼⁉︎」
咲良:「正解!ってあんたいくらなんでも寝すぎでしょ。」
そう言うと2人は私の席に昼ご飯と椅子を持ち寄って来た。
凛花:「後でノート見せて。」
咲良:「りょーかい。」
咲良は呆れたように笑いながらそう言うとコンビニで買って来たサンドウィッチを食べ始めた。
私達が話すことといえば他愛もないことばかりだ。
あのドラマが面白かったとか 趣味の話だったり学校での噂話だったり。
でも正直 私は学校の噂話とかあんまり興味がないんだよね。
そんなことを思いながら話してると 結奈がニヤニヤしながら私の方を見て言った。
結奈:「相変わらず ラブラブですねー。」
すると誰のことか分かったのか咲良もニヤニヤしながら私を見て言った。
咲良:「本当だよ!もうさすがに付き合ってるんだよね?」
凛花:「...?誰が?」
結奈:「そんなの凛花と顕嵐君しかいないじゃん!」
凛花:「はっ⁉︎」
思わず私は飲みかけのジュースを吹き出しそうになって思いっきりむせてしまった。
咲良:「逆に誰がいるわけ⁉︎」
凛花:「いやいや!そもそも何で私が顕嵐と?」
思ってもない人の名前が上がり 驚いていると2人も驚いた様子だった。
そして2人は私の顔を見てから顔を見合わせると溜息をついた。