第1章 幼馴染のアイツ
顕嵐:「そ。小学校。懐かしいよな。」
凛花:「駅挟んで家と反対側にあるからあんまり来てないもんね。」
すると顕嵐は私の手を引いてまだちらほらと生徒が残ってる校内へと足を踏み入れた。
顕嵐:「久しぶりだなー。」
凛花:「そうだね。」
そして私達は職員室に行って挨拶をすると 6年生の時に担任だった先生がいて 少しの間話をした。
その後 私と顕嵐はなんとなく上級生のクラスが集まる5階に行き“6年1組”と書かれている教室に入った。
私達は1年生と6年生の時以外 クラスが一緒になることはなかった。
本当によくここまで続いたな...。
そんなことを思っていると 顕嵐が口を開いた。
顕嵐:「最後の席替えで 俺達 ここに座ってたよな。」
そう言って窓際の後ろから2番目の席に顕嵐が座った。
そして私は顕嵐の後ろに座った。
凛花:「最後の席替え以外は悉く前の席しか当たらなくて嫌だった記憶がある。」
顕嵐:「確かに。言ってたよな。」
凛花:「でも最近は前の席も意外と好きになった。」
顕嵐:「先生の目が後ろしか見てないって気付いたからだろ?」
凛花:「何で知ってるの?」
顕嵐:「何となく。」
そう言うと私と顕嵐は顔を見合わせて笑った。
凛花:「てか何で今日 ここに来ようと思ったの?」
顕嵐:「凛花に話したいことがあるから。」
凛花:「話したいことって何...?」
顕嵐:「俺のことについて。」
一瞬言われても意味が分からなくて首を傾げてると 顕嵐はクスクスと笑いながら続けて言った。
顕嵐:「もっと言うと 俺がどんだけ凛花のことを好きなのかってこと。」
凛花:「!」
その言葉を聞いて私は顔が熱くなっていくのを感じで顕嵐の真っ直ぐな視線から顔ごと逸らした。
すると顕嵐はクスクスと笑いながら私の頬に左手を添えた。
顕嵐:「本当に自分でも呆れるくらいに凛花のことが好きだわ。」
凛花:「!」
左手がそのまま私の顔をそっと動かして 顕嵐の方に向かせるよう誘導する。
顔を誘導されて 伏せていた目をそっと上げて顕嵐の方を向くと そこには私のことを文字通りに愛おしそうに見つめる顕嵐がいた。