第1章 幼馴染のアイツ
凛花:「準備出来た。」
顕嵐:「ん。凛花。」
凛花:「何?」
顕嵐:「今日はさ 図書館での勉強やめて俺に付き合ってくんない?」
凛花:「⁉︎つっ...付き合う?」
すると顕嵐はクスクスとおかしそうに笑いながら言った。
顕嵐:「その付き合うじゃなくて。ただ凛花に話したいことがあるからそれを聞いてほしいってこと。」
凛花:「あっ...そ...そうだよね。」
私は自分の勘違いが恥ずかしくて目線を外しながらそう言うと 顕嵐はクスッと笑いながら私に顔を近付けて囁いた。
顕嵐:「別に今すぐ俺と“付き合って”くれてもいいけどね?」
凛花:「〜⁉︎」
顕嵐:「冗談。」
相変わらずクスクス笑いながらそう言うと 顔を離した。
顕嵐:「で。付き合ってくれる?」
凛花:「うん。」
顕嵐:「ありがと。じゃあ行こうか。」
そう言うと顕嵐は当たり前のように私の手を取って握ると教室を出て昇降口へと向かった。
そう言えば 朝はあんなに抵抗があった手を繋ぐのも 今はそんなに気にならないな。
やっぱり自分の気持ちを2人に言ったからかな?
そんなことを思っていると 廊下で美勇人に会った。
今日はよく廊下で美勇人と会うなって思ってると 私と顕嵐が手を繋いでるのを見て ニヤニヤと笑いながら言った。
美勇人:「お。ついにカレカノですかー?」
するとそんな美勇人に顕嵐はクスッと笑いながら言った。
顕嵐:「まだ幼馴染。」
そう言うと「急いでるから。」と言って私の手を引いた。
靴を履き替えていつものように駅まで歩いていった。
凛花:「ねぇ。」
顕嵐:「ん...?」
凛花:「話したいことって何?」
顕嵐:「んー...それは秘密。」
凛花:「えー...。」
顕嵐:「焦んなくてもちゃんと言うから。」
そう言うと顕嵐はクスッと笑って私の手を引いた。
そしていつものように電車に乗り 地元の駅に到着した。
そして黙って顕嵐に着いて行くと家とは反対方向の場所へと向かっていた。
でもこの道のりを記憶のどこかで覚えていて 私はそれが何か思い出そうと頭を捻った。
顕嵐:「着いた。ここに来たかったんだよね。」
凛花:「ここって...。」
駅から歩いて15分。
私達が着いたのは 2人で通っていた小学校だった。