第5章 認識
「なぁ、松潤ちょっと聞いていいか?」
今日は松潤とふたりきりの雑誌の取材。
あの日以来、気になってる事があるんだけど、智くんにもニノにも聞くことが出来ずにいた。
「なに?翔くんが聞きたいことなんて珍しいね」
パソコンを使って作業していた手を止め、俺の方に向き直ってくれる松潤。
「うん、あのさぁ…俺と智くんの関係なんだけど
相葉くんが俺が智くんに甘えてたって言ったんだよねぇ…それってほんと?」
腕を組み、少し考えてる様子の松潤。
あの日、俺の頭を撫でた智くんの手の感触が忘れられなくて
以前からされていた行為なのか気になった。
でも、30歳を越えた男同士でそんなことするか?
ニノにはされる。
それだってふたりきりの時にしかしない。
しかも恋人という立場だからされる行為なわけであって、メンバー同士仲が良いからとはいえ、普通しないだろ。
「う~ん、甘えてるというかさぁ…
なんだろ、邪魔しちゃいけない雰囲気にはなってたな」
「邪魔しちゃいけない?」
「そう、ふたりだけの空間っていうの?
今、ふたりの間に入っちゃいけないよなぁ、って感じ」
「なんだそれ?」
男同士でそんなことあるのか?
「ふたりで盛り上がってるとかじゃなくて
寧ろ逆なんだけど…
なんかさぁ、そういう時って、翔くんがやたらと可愛く見えたんだよね
だから、相葉くんが甘えてたって言ったんじゃないかな?」
俺が可愛い?全く想像付かないんだけど…
「最近はなくなってたけどね…
あっ、でもこの前翔くんが倒れた日
リーダーとふたりで楽屋に戻ってきた時はそれに近い表情してたな」
あの時?智くんに頭撫でられてドキッとした時?
「俺さぁ、智くんに頭撫でられたりとかしてた?」
「いや?さすがにそこまではされてないよ」
「…だよなぁ…」