第11章 年末
「ねぇ智くん、もうすぐ今年も終わるね」
もうあと数分で今年も終わろうとしている。
「そうだなぁ…色々あったけどあっという間の一年だったな」
「まあ今年に限った事じゃないけどね」
「だな…」
「智くんにとってどんな一年だった?」
「そんなの決まってんだろ?
人生で一番特別な一年だったよ」
「そっか…俺も人生で一番幸せな年だったな」
今年、智くんと一緒に暮らし始めた…
実際結婚は出来ないけどプロポーズもして貰ったし、間違いなく俺にとっては記念すべき幸せな一年だった。
「違うだろ…」
「え?」
「人生で一番特別な年ではあったけど一番幸せは年は今年じゃないよ」
「智くんは今年じゃないの?じゃあいつ?」
俺にとっては一番幸せな年だったのに智くんにとっては違うんだ…
これ以上に幸せな年があったの?なんだかちょっと残念…
人生で最高に幸せな出来事だったのに。
「わかんね…」
「え?わからないのに今年じゃないの?」
「だってこの先の未来、翔とふたりならもっと幸せな年が待ってる筈だから…」
智くんは俺の手を握ると優しく微笑んでくれた。
「智くん…」
「あの~おふたりさん?ここがどこだかわかってます?」
声の方を向くと呆れた顔したニノがいた。
「ふたり仲が良いのはよ~くわかってんだけどさぁ、時と場所を選ぼうか?」
苦笑いをする松潤。
「いつでもラブラブしたいんだよねぇ、いいじゃん幸せなふたりを見ていられるんだから」
ニコニコ笑顔の相葉くん。