第10章 誓言
潤くんがキャビネットの前に行き、中を覗くと声をあげた。
「なんだこれ?」
その声を聞き潤くんの元へ行く俺と相葉さん。
中を覗くと指輪が置いてあったと思われる場所の後ろに小さな額に入った紙
そこに書かれた文字は『誓言』?
「誓言?何これ?大ちゃんの字だよね?」
相葉さんがふたりを振り返って見る。
「智くんが指輪くれた時に一緒にくれた」
「婚姻届出せないからな。一応それに変わるものと思って」
「誓言って誓いの言葉ってこと?」
「そうだよ」
それにしてもこの内容…子供か?しかもちょっと怖いし
でも翔さんにしてみたら最っ高に嬉しいんだろうね。
「大ちゃん、ほんとに翔ちゃんの事大好きなんだねぇ」
「ここまでとは…初めてふたりの事を知った時も既に独占力丸出しだったけどな」
「潤くん、多目に見てあげてくださいよ
俺たちの前だけでしょうし」
「そりゃそうだよ
それにこれでも気使ってんだぞ?お前らがいるから」
「マジでか?普段どんな生活してんだよ」
「ふふっ、あ~んな事やこ~んな事?
ふたりきりだったら、なんでも出来るもんな?」
そう言って翔さんの顔を見るけど翔さんの顔は真っ赤に染まってて
「…馬鹿」
と、呟いただけだった。
一体何してんだ?あのおじさん。
「まぁ、いずれにしても、おふたりが幸せなのは十分伝わりましたよ…翔さん、良かったね」
「ありがと、ニノ」
そう言って綺麗な笑顔を見せた翔さん…今世界一幸せだと思ってるんだろうな…
『誓言
この先、翔以外の人間を好きにならない。死ぬまで、いや死んでも愛し続けてやる!
だから20年後も30年後も100年後もいつも隣で笑ってろ。
20年後も30年後も100年後もふたり一緒なら幸せでいられる!
ぜーったい誰にも渡さねぇからな!
大野 智』
Fin