第9章 深愛
智くんに攻め立てられイッた筈なのに、どういう事?
熱を吐き出さずにイッた?そんな事あるの?
考え込んでいた俺の目の前で、智くんが素早くゴムを取り換える。
脚の間に入ってきた智くんは、再び俺のナカで暴れまわる。
「翔くんのナカ、凄い絡み付いてくるよ?」
そんなのわかってる…
自分でコントロールの効かない動き…
智くんが入ってきた途端、俺のナカはひくひくと蠢き出した。
余韻が残る体に、更なる快感を俺にもたらす
「や、あっ!もう、駄目だ、って…」
気持ちいいのに、何かが襲ってくるような感覚が怖くなった。
止めてと懇願しても智くんは止めてくれない。
「また翔のイク瞬間の表情が見たい」
その言葉を聞いて、もっとこの快感に身を委ねていいんだと知った…
智くんがそう望んでるんだと…
何も考えずに、この感覚に従おうそう思った時、頭が真っ白になった。
「翔くん⁉」
俺を呼ぶ智くんの声が聴こえて目を開くと、目の前に心配そうな顔の智くんがいた。
「どうしたの?」
「意識飛ばしてたでしょ?」
え?そうだったの?
気持ち良すぎて意識飛ばすって、恥ずかしい…
ニコニコと俺を見る智くん
嬉しそうに俺の髪を撫でた。
「綺麗だったよ、翔くん…
俺が見たかった翔くんの姿だよ」
そんな事言われてもわからないよ…
智くんに与えられた物を、素直に受け入れたらああなっちゃったんだから。
智くんが俺のおでこにチュッとキスをすると、横に寝転がり首の下に腕を差し入れた。
「今日はこのまま一緒に朝まで寝ようね」
「え、泊まってっていいの?」
「もちろん。恋人同士なら当然でしょ?それに俺が一緒に居たいし」
そう言ってくれた事が嬉しくて、智くんの胸にすり寄った。
「うん、ありがと…」
智くんが優しく髪を撫でてくれる気持ち良さと疲れから、俺はすぐに眠りに落ちた。