第3章 再開、そして出会い
???「おい、その女から離れてもらおうか」
今度は誰??
低い声を上げる方へ振り向くと、そこには馬を連れた眼帯姿の人が
こちらを睨んでいた
???「お前だな? 逃げたやつってのは。 信長に頼まれた。来い」
そう言うと私の体を片腕でひょいと持ち上げる
「うわっ、え、あの…」 誰なのか分からないのに連れていかれるのは…
そう思っていると
幸「 伊達政宗…!!何しにここへ…」
そう声を荒らげる幸の目は、先ほどまでの穏やかな目ではなかった
背筋が凍る
独香( !! 幸さんどうしたんだろう…。もしかして政宗さんって人と仲悪いのかな )
政宗「 ここは安土の領域だ。お前こそ…ってそこにいるのは…
武田信玄…!! 生きていたのか!」
信玄「 期待に添えなくて悪いなー、簡単に死ねる身ではないんでね」
佐助「 幸。抑えて、ここじゃ俺たちが不利だ。一度戻ろう」
政宗「 懸命な判断だな 」 フッっと政宗は笑う
しかし、目は笑っておらず冷たい色をしていた
私は場の空気に耐えきれず、小さく声を漏らす
独香「 あ、あの、もう暗いですし夜の森は危ないんですって。戻るなら早く戻りましょう? 」
どうせ振り切れないし…。と諦めて観念していた独香。
独香( 鬼が出るとも言ってたなぁ。あの人。 )
政宗「 それもそーだな。…次こそ息の根止めてやるよ。武田信玄 」
信玄「 俺はそこの嬢さんと話してただけなんだがなー。…帰るぞ。幸、佐助」
信玄が呼びかけると幸は刀に手をかけるのを止める
そのまま、暗闇へ溶けていくように消えていった
その様子を見て、独香はひとつため息を漏らす
政宗はもう敵意がないと感じると、独香をしっかり支える
政宗「 さて、行くか。半刻経つ前に帰るか。早駆けでいくから舌噛むなよ」
「え」 その一言と同時にグンと大きく体が揺れる
独香( 変に動いたら落ちる…落ちても良いけど…この人に迷惑はかけられない…)
大人しく落とされないように支えられ、暗闇の中をスイスイ進んでいく