第2章 魂の向こう側 信長side
秀吉「お、女に…ですか? 信長さまが…」
秀吉の顔には驚きの表情が隠せていなかった
信長「独香という奇妙な格好をしたやつが、寝ている俺を揺さぶり起こしてきた」
秀吉「独香…いや、しかし信長様、寺に女がいる話など聞かされて…」
あぁそうだ。だからこそ不思議なんだ。
火の中を掻い潜ってきたにしてもあの煙の量。あんな細身なら体がもたない
実際、抜け道を使って出た時に咳き込んでいたのだから。
ならばあいつは一体
信長「どこから入ってきた…」
風が吹くと同時に煙が流れていく。
独香と名乗る女も風のように姿を消した
秀吉「その女はどこへ…?」
信長「森の方へ消えた。俺や三成でも気づかなかったぐらいだ。現在、政宗が探しているであろう
戻ってきたら今回のことで軍議を開く」
秀吉「左様ですか。…家中の者に着物を用意させます。煤だらけですし、
そちらへ着替えてからにしましょう」
2人は小屋へ足を運んでいく
(…あいつも煤だらけだったし着替えはもう一つ用意させておくか)