第4章 寝顔【牛島若利】[生誕記念]
唇が離れた隙に、ぐいっと若利を押し返す。
『若、利...。』
「...なんだ。」
『なんだ、じゃなくて...!見られちゃうよ!』
「む...手は良いのにキスはダメなのか。」
繋いだ手を指差して言う若利。
それとこれとはなんか違う...。
『それとこれとは、なんか違うんだよ...。』
「それに、別にここには誰も来ないだろう?」
そういってのしかかって来る若利。
『それも、別...!...っん』
不意にされたキスに、体が跳ねる。
『...んぁ...。』
「...嫌、か?」
少し悲しそうな声を出す若利。
彼の場合はこれがわざとでは無いのだから、
なおのことズルい。
『...いやじゃ、ない...』
若利は、繋がれていない方の手で私の顎をそっと持ち上げる。
そこから、そっと熱が伝わる。
「なら、...よかった。」
これは、覚達にみつかるほんの数分前の話。
fin.