第4章 寝顔【牛島若利】[生誕記念]
ガヤガヤと賑わう校内。
お客の呼び込みをしている生徒や、他校の人、コスプレをしている人が多く目に入る。
「あ、リンカだっ!!どーしたの~?」
声をかけてきたのは天堂覚。
私がマネージャーを勤める男子バレーボール部の3年生。
『3ー3の模擬店探してて...。』
今日は白鳥沢学園高校文化祭。
私のシフトは既に終わってしまったため、若利のところへいこうと思ったのだ。
「あー!若利クンね!3ー3は確か和風喫茶?だった気がするケド、若利クンのシフトはもう終わったと思うヨ?」
和風喫茶かぁ。
若利は、何を聞いても「秘密だ。」としか返してくれず、どんなお店を出すのかも聞かせてもらえていなかった。
『和風喫茶...。』
多分若利は着物姿を見られるのが嫌だったのだろう。
...なんか変なところで意地張るんだから。
「若利クン、シフト11時までって言ってたから、もういないんじゃない?」
時計を見れば、今は11時半。
『そっか、じゃあちょっと探してみるね。』
「うんうん、きっと若利クンもリンカを探してると思うよ」
リア充め~と言いながらツンツンしてくる覚と別れて、模索を始める。