第3章 ♡優しい先輩【菅原孝支】
それと一緒に、快楽への恐怖が襲ってくる。
どこかへ行ってしまうみたいな、くらくらした感覚。
『やっ、せんぱ...こわっ...い...あっ、ん』
「...大丈夫。俺がいるから、」
その言葉に、体の力が一気に抜ける。
『っあぁ、んっ、あ、っんん...!』
「っく...リンカっ...」
私が達すると同時に、先輩が引き抜かれる。
『...ん、先輩っ...。』
「ごめんっ、俺ゴムとか持ってなかったから...。汚しちゃって...。」
気付けば、お腹の辺りに暖かい液体がとろんとかかっている。
でも今は、それさえ愛しい。
「リンカ...んっ」
私は、あたふたする先輩を引き寄せてキスをする。
柔らかい唇がゆっくりと離れて、私の名前を紡ぐ。
「リンカ...好きだよ。」
『先輩、私も...。』
そのあと、着替えて先輩が引いてくれた布団に横たわると、眠気に襲われた。
ぱっぱと後片付けをする先輩が、「ねてていいよ。」と声をかけてくれる。
私は、お風呂に入っていないことに気がつき、慌てて時計を見る。
...まだマネージャーがお風呂には入ってもいい時間だ!
私は、痛い腰を持ち上げて先輩に『お風呂にはいってきます』と報告し、お風呂へ向かった。
その後ろ姿さえも可愛いと思う菅原だったのであった。
fin.